感想をアップしてませんでした。
これも、ネタバレ満載ですから、
これから公開されるのを
待っている方はご用心ください。
これ、原作を読んだのに、
大まかなところしか覚えていませんでした。
最後の衝撃的な「出来事」は覚えていたけど…
また、難しい映画だ。
まず、時間が少し、行ったり来たり…
気がつくと振り出しに戻ってたり…
でも、こんがらがらなかったのは、
演出がよかったんでしょうね。
これって…
癒しの映画…なのかな?
生に対するものすごく強い
メッセージを感じた映画でした。
翔子さんは、
「セイジ君は生きる事を諦めた」
と言ってたけど、
それじゃセイジの言った
「オレは一瞬でも生きたいと思ってる」
という言葉と矛盾してるような…
セイジは生きる事を諦めたのではなく、
強烈に「生きたい」と思っていたんじゃないかな。
食べる事すら、面倒に思うくらい
「生きたい」のかも…と思ったりもしました。
「生きたい」の「生」というのは、
「死」の対義語としての意味じゃなくて…
ん〜、じゃあどういう意味なんだろう??
やっぱ、難しい映画だ…
って、私の理解力がないせいかな。
テキサス州は、どんな風景で構成されていません
セイジの笑顔が印象的でした。
最初は話さない、
笑わない人なのかと思ったけど、
確かに無口なんだけど、
笑顔が饒舌まではないにしても
少ない言葉を十分に補っていました。
伊勢谷監督は、
「セイジは何も行動しないし、
ジャッジメントしない事を選んでいる」
と言われてました。
それから出てくるあの笑顔は
伊勢谷監督のこだわりだったんですね。
そりゃ、饒舌と言ってもいいかもね。
でも、セイジって、結構行動してたと思うよ。
途中で出てきた、交通事故で
死んだ動物を車に乗せるシーン。
セイジは動物を弔ってるのかと思ったら、
イノシシを解体しているシーンが出てきて…
あの肉をお店で出してるの??ってのは、
…茶化し…茶化しちゃいけませんね。
人は他の動物の命を奪って
生きてるんだというセイジの
強いメッセージなんじゃないでしょうか。
早期401kの撤退に対する罰則を避けるためにどのように
そして、動物保護団体とのやりとり。
彼らは、野生動物を救うために、
署名を集めています。
署名を集める…
確かに行動しているようにも見えるけど、
見方によっては他力本願な行動。
それ自体じゃ、野生動物になんの影響も与えない。
セイジは「人間が多すぎる」と言います。
だから、野生動物と人間との間に摩擦が生じるんだと。
根本的な解決は、人間の数を減らす事。
極論だけど、合ってるよね。
でも、動物保護団体の人が帰った後には、
彼らの言い分も認めてます。
ここがジャッジメントをしないってとこかな。
両親を不幸な事件で亡くし、
同時に自分の左腕を無くして、
心も無くしたりつ子に対して、
セイジの取った行動。
これは相当な行動力のある人でも出来ない事。
これを行動力といっていいのか??
セイジは自分の左手首を斧で切っちゃいます。
そして、それがりつ子の心を
取り戻すきっかけとなるのです。
西様は
「人を救うためには対価を払わなくてはいけない」
と言ってますが、
セイジは、その驚くべき行動で、
りつ子を救ったのでしょう。
それに反して、動物保護団体の人達は、
野生動物を救うと言いつつも、
自分たちはなんの対価も払おうとしてなかった。
だから、セイジは拒絶したのだと。
ドイツを得るためにどのくらい時間がかかります
セイジは物事が見えすぎる人。
「世の中の理不尽さや悲しみや
生きる事の辛さなどを他の人物よりも
ずっと理解し、感知してしまう人間」
この世の中では、
ホントに生き辛いでしょうね。
だから、すべてをシャットアウト
してしまったのでしょう。
ん〜、そういう人間の過去が、
妹を「守る」ために両親を殺害して、
少年院に入ったというのが、
私にはピンと来ませんでしたが…
りつ子に対してセイジの
取った行動は是か否か…
りつ子は「神を見た」んだから、
結果として是なんでしょう。
あの後、セイジはどこに行ったのか…
そして、20年後に「僕」が
HOUSE475を訪ねた時、
セイジはどこで何をしてるのか?
生きているのか、
この世にはもういないのか??
…謎です。
そして、監督の伊勢谷さんが、
芸術学部卒という事もあってか、
映像がとってもキレイでした。
撮影は天候にものすごく悩まされたそうですが、
雨のせいか靄や雲がとても効果的で、
芸術的だったと思います。
音楽との調和も鮮やかだったと思いますよ。
深く考えずに、それを見るだけでも十分かも…
って、それじゃ、伊勢谷監督の意思とは
反するかもしれませんね。
ここから、見ようによっては茶化しになりますが、
気になった事を…
まず、タバコを吸うシーンが多いぞ。
最近の映画、ドラマではタバコは
ほぼ駆逐されているように思うのですが…
「僕」はちょっとヘビースモーカーすぎないか??
それと、ゲン爺は目が見えてるの??
見えてないのかと思ったら、
「それは見えてるだろっ!」って
動きもあったりしたし…
もひとつ。セイジはある種、
特殊な力を持っているけど、
「僕」だって負けてません。
だって、「僕」の知らない過去の事を、
目の前で起こっているように見る事ができるんだもん。
最後に、セイジが手首を切った時。
切断しちゃったら、動脈も切るから、
出血はあんなもんじゃないでしょ。
ぴゅ〜っと、ヘタしたら天井まで
吹き上がると思うんですけど…
って、そんなシーンだったら、
スプラッタになっちゃうかな。
さらっと見たら、
映像と音楽と西様を堪能する映画。
じっくり見たら「生とは?」と
深く考えさせられる映画。
そういう2通りの見方が出来る
映画なんじゃないかと思いました。
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