中国のエリート層が資産の海外逃避を図っている(shifting some of their money abroad)というのは何年も前からよく知られてきた事実であるが、いまや、彼らはいまみずからとその家族を海外に脱出させて、祖国に見切りをつけようとしていると、4日付けのFINANCIAL TIMESが北京と上海発の記事で活写している。
先週金曜日、北京の「金ぴかのホテル会場」(The gaudy, gold-lacquered ballroom of the Legendale Hotel)で開催されたのは、欧州の金持ち向け不動産業者によるフランスの古城、カリブ海の島、マンハッタンのペントハウスの即売会であり、会場は立錐の余地もなかったという。
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こうした豪華資産の即売会はここ2-3年盛況を極めているが、何とも言ってもその魅力は、一回の取引で巨額の現金を一気に海外に逃避させることができることにある。
そしてこの記事が最も強く伝えようとしているのは、この資産保有高1000万元(160万ドル)以上を有するエリート集団の60%の人々が, 資産のみならず、海外移住の準備を始めている、ないしは検討中というBank of Chinaの調査結果である。
これらの海外逃避を試みる人たちの、第一の不満は急激に都市化した中国での暮らしにくさである。交通混雑に加えて、想像を絶する大気汚染が、彼らの"quality of life"を著しく侵していると感じている。
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そして日常生活のあらゆる局面に蔓延する、わいろの横行に耐え切れないと不満が爆発している。「食の安全、環境問題は日々悪くなっていくばかり。学校の先生にちゃんと教育してもらうための付け届けがますます必要となっている」というリッチ主婦の声を掲載している。医者に行っても袖の下を出さねばまともな治療を受けられないというのが中国なのだとFTが解説している。
さてこのエリートとされている階層とはどんな人たちか。それは共産党幹部、億万長者、有力政治家の家族たちである。彼らはその地位とため込んだ資産の保全に危うさ(insecurity)を感じ始めている。「いつ何時、この資産を取り上げられるかもしれ� ��いという恐怖」が強くなり始めているのだ。
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中国には、いわゆる「法治制度」は存在せず、権力や権限を持った役人による「人治制度」が、社会を制御し、支配している。法の下の公正、平等、保護という建前すらいまだ確立していない。
インターネットに刺激を受けた階層が、あまりの格差と社会的不公正にその不満を爆発させ始めているが、さすがに政府もこれを黙過できず、おざなりの贈賄・収賄取締くらいでは、新しい世代を抑え込めないので、特権階級の地位のはく奪や資産の没収といった強硬政策を「本気」で実行する事態が来るのではないかとエリートたちは心配し始めている。
これがかれらの海外「逃亡」の本当の動機である。中国のわいろの横行はますますひどくなるばかり。格差への民衆の怒りの温度もうなぎ上り。スーパーエリートとスーパーリッチが、大金とともに祖国にグッドバイというのも中国5000年の智恵である。
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