すいません、ちょっと不思議に思ったんですが、新緑の時には黄緑で、だんだん濃い緑になっていくのは、葉緑素がなにか変わってくるからなんでしょうか?
緑の素は「クロロフィル」という物質です。黄色の素は「カロテン(カロチン)」という物質です。
どちらも光合成に必要な物質です。
カロチンは、ニンジンなどに多く含まれているとして有名ですね?
葉緑素自体が変化して緑とか黄色とか赤になるわけではなく、葉に含まれる複数の色素のバランスによって色が変わります。
それぞれの色素の働きは異なりますので、その時々に必要なものが増え、不必要なものは減少します。
似たものに「紅葉」などがありますが、季節の変化による太陽光の変化に対応するためではないかと思いますが、色の変化のメカニズムは分かっても「なぜ紅葉しなければならないのか」という根本的理由については分かっていないことも多いようです。
私自身、植物は専門外ですので、聞きかじりや憶測になりますが、新芽の黄緑については次のように考えられます。
1.まだ葉が薄いため、光が透けて緑が淡く見え、黄緑に感じる。
2.若い葉を活性酸素から守るために、β-カロテンが多くなる。
(β-カロテンは有害な活性酸素を無害な酸素に戻す働きがある)
※新芽が赤い植物は、紫外線から葉を守っていると言われています。
3.まだ若く成長途中であるため、クロロフィルの生成途中である。
いずれにせよ、カロテンとクロロフィルのバランスを調べる必要があるでしょう。
ペーパークロマトグラフ法という簡単な方法で調べられます。
答えになっていなくてすみません。
もう一段踏み込んだ理由を知りたいと思っています。
光合成に緑色の光が使われないのはなぜなのでしょう?
波長の短い方(青い方)と長い方(赤い方)を使い、間(緑)が抜けている理由を教えていただけないでしょうか。
でも、ありがとうございます。
私も植物は専門外ですが、分かる範囲でお答えします。
もし間違っていたら、どなたかご指摘下さい。
というか、答えはまだ見つかっていないのではなかったかと思います。
まず正確に言うと、可視光のうち中間のスペクトルが"完全に抜けている"訳ではありません。
緑の光も吸収されて光合成に使われますが、吸収効率が低いのです。
代わりに葉の中には様々なスペクトルの光を吸収する物質も存在します。
種類や含有量は植物によって異なりますが、少なくともクロロフィルa(葉緑素)は共通して含んでいます。
その他の色素は補助的なもので、得られたエネルギーをクロロフィルaに渡します。
ですから、光合成で最重要はのはクロロフィルaです。
短波は励起状態にするのが楽になります。
ブラックライトで光る物質は、紫外線によって励起状態になり、物質は基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光しますよね。
その高いエネルギーを光合成に利用しない手はありません。
ただし、紫外線はDNAを破壊するため、もう少し長いスペクトルを利用しているものと思います。
outgroupsのいくつかの例は何ですか
赤ですが、これは光がもつ破壊的なエネルギーが低いため、取り扱いやすいのかもしれません。
逆に、光をあまり吸収しすぎてもマズいようです。
緑の光は太陽光の中でも中心的なスペクトルなので、これを吸収すると多すぎるのではないかと思います。
単に光の吸収に重きを置けば、「黒い葉」がもっとも効率が良いはずです。
でも、植物も生物です。人間と一緒で、摂りすぎてはダメだということです。
あまり光を吸収しすぎると、色素などの酸化が促進され、光合成の効率が落ちてしまいます。
光は植物にとって大切なエネルギーでもあり、体を破壊する危険なものでもあるのです。
諸刃の剣ですね。
このバランスがちょうど良かったのが、緑色植物だったのではないでしょうか。
バランスが悪かったものは絶滅の道を辿ったのかもしれません。
生態系の観点では、「他の生物にも光が必要であり、植物が全ての光を吸収してしまったら周りまわって、自らを滅ぼしてしまうから」という見方もできます。
落ち葉を食べる虫や、有機物を分解してくれる細菌がいなければ、植物自身の栄養がなくなってしまいますよね?
虫や細菌なども、他の動物と生態系で関係しており、それらの動物も光を浴びて生きています。
植物は、自ら生態系の安定を図り、共存していくために、中心的スペクトルの緑を反射・透過してくれているのかもしれませんね。
未解明のため「バランス」や「安定」という曖昧な答えになってしまいましたが、
様々な説があると思いますので、探してみてください。
パンドラという地球にとてもよく似た惑星が舞台となるのですが、地球とは大気成分が違うのに樹木の葉が緑なのはおかしくないか、と疑問に思い、そこから葉緑体が緑である必要性ってなんだろう、と検索をかけてみたら、こちらにたどり着きました。
まさに私が知りたかった答えがあってすごく嬉しかったです。
有難うございました。
あ、緑が豊かな自然環境を象徴しているのは容易に想像がつきますし、映画の中の設定をとやかく言うつもりはありません。
むしろあの映画の世界観は、すごく好きなんです。
もしシアノバクテリアが居なかったら、重力が少なかったら、こんな世界になったんだろうか、と思ってしまいます。
どうして地上の生き物は、エイとかサメみたいな鰓のデザインをもつ生き物がいないんだろう、...とか。^^
私、アバターって見てみたいんですけど、まだなんですよ〜。
映画館の3Dで見てみたかったです!!
>地球とは大気成分が違うのに樹木の葉が緑なのはおかしくないか、と疑問に思い、そこから葉緑体が緑である必要性ってなんだろう、と検索をかけてみたら、こちらにたどり着きました。
理系の方ですか?その発想は素晴らしいですね。
> もしシアノバクテリアが居なかったら、重力が少なかったら、こんな世界になったんだろうか、と思ってしまいます。
シアノバクテリア・・・よくご存知で。
細胞にはミトコンドリアと葉緑体(基本的に植物のみ)という、独自のDNAを持った別の生命体が入っているようなもので、寄生だか共生だか、凄いことです。
パラサイトイブの話はご存知ですか?ありえない話ではない気もします。
延性と脆性破壊
地球外にもどこかに生命がいるはずですが、その環境に合った生物が繁栄しているはずです。
生きるには水ではなくエタノールでも良いわけで、酸素ではなく、二酸化炭素でも生きる方法があります。
代謝方法が違う生物が繁栄するだけです。
現に嫌気性細菌と言って、酸素の無い場所で生きる細菌がいます。
地球外には全く違った生命活動があるはずです。
生命と言えば、青い地球とか森林の緑のイメージですが、全く違う世界もあるでしょう。
> どうして地上の生き物は、エイとかサメみたいな鰓のデザインをもつ生き物がいないんだろう、...とか。
人間が、生物として素直に認識しやすいのは、現存する生物を模倣したものなのでしょうね。
ご興味があればまたおいで下さい。
すみません。最後の一文を全く読み間違っており、トンチンカンなお返事をしました。
大変失礼しました(^_^;)。
> どうして地上の生き物は、エイとかサメみたいな鰓のデザインをもつ生き物がいないんだろう、...とか。
地上の動物の形態に関することですね。
そうですね。生物は極力無駄を省き、効率の良い形をとっています。
急には変われませんが、無駄なものは退化していき、必要なものは発達してくる。
適材適所の形態。ということでしょうか。
エイやサメのエラがなぜあのような形になったかは解明されていないのではないかと思いますが、それなりの理由があるのでしょうね。
理系どころか、2ケタの足し算でフリーズする生粋の文系なので、理系の方というだけで後光が射して見えます。^^;
趣味の範囲で海に潜っているのですが、イカとタコはどっちが先に発生したんだろう、という素朴な疑問から紆余曲折を経て「利己的な遺伝子」に巡り合い、目から鱗が落ちました。
「ミトコンドリアが進化を決めた」「ワンダフル・ライフ」などを面白く読みましたので単語は知っていますが、難しいところはすっとばしてるので雑学レベルの理解があるだけです。
ATPも今ひとつ理解できてないので、酸素が二酸化炭素になったら、水の代わりにエタノールを使うことになったら、どんな仕組みになるのか想像もつきませんが、肌の色...というか、血液の色はどんな風になるんだろうか、老化(酸化)しにくいんじゃないのか?とか(笑)
想像するだけでもわくわくします。
先生もおっしゃってる通り、生き物は使えるものを使ってたくましく生きてますよね。^^
ところで、ハオリムシという海洋性の生き物をご存知ですか?
硫化水素やメタンなどからエネルギーを得ている生き物です。
酸素が発生する前のシステムをそのまま使っている生き物なんだなぁ、と思うとすごい生き物に見えます。
ただのにょろにょろした虫みたいですが。
パラサイトイブは、怖い映画だと思って観なかったんですが、京極夏彦の小説に「パラサイト・デブ」というのがあって、面白そうだから元ネタから読んでみたいと思っています。
少し前のものなのでまだ機会がつかめないままなんですが。^^;
先生の専攻は遺伝子工学とのことですので生物とか進化ではないのに、とりとめのない長文で失礼しました。
こんな素朴な疑問や、仕組みの説明って誰も教えてくれないし、調べようにもどうやって調べたらいいのかもわからないことが多くて。
あまりお邪魔にならないようにしますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
散布グラフは何ですか?
夏休みの自由課題は楽しそうですね!
ホタルスライム、反応を自由に制御できるなら作ってみたいと思いました。
酵素別にスライムを作れば、その場で反応を起こすようにできたりしないものでしょうか...。
文系の方なのに、科学的な発想の柔軟さはスゴイと思います!
> 肌の色...というか、血液の色はどんな風になるんだろうか
色の概念自体を崩して考えられたことはありますか?
人が見ている肌の色は、他の動物から見ると違う色に見えているかもしれません。
同じ人間が見ても、違って見えるかもしれません。
現に、色盲や色弱といった方もいらっしゃいますよね。
昆虫は花が反射している紫外線を見て、花の位置を探していますよね。
見えているもの、触れているもの、味、匂い、温度、全ての感覚は、脳が作り出している幻想です。
現実だけど幻想という、不思議で恐い感覚に陥る方もいらっしゃいますね。
突き詰めると「私」とは何なんだろう。本当に私はいるんだろうか。果ては、宇宙の存在って何なのだろうって。
例えば、緑は私たちが緑と感じたいから緑に見えるのであって、緑を見る必要が無い生物にとっては人間が感じる緑とは別の感覚を持っているのかも。ややこしいですね。
そういう見方もあります。
> 老化(酸化)しにくいんじゃないのか?とか(笑)
老化=還元である可能性もありますよね。
有機物の種類は無限ですから、無限の化学反応がありえます。
とにかく生物は化学反応の集合体ですから、エネルギーを得るなり作るなりして、それを使うというサイクルを永遠とどうにかこうにか繰り返しているわけです。
材料に合わせた化学反応をすればいいわけですね。
> ところで、ハオリムシという海洋性の生き物をご存知ですか?
生物の種については疎くて・・・。
調べました。硫黄細菌と細胞内共生してるんですね。
海には陸以上に未知の生物がたくさんいます。
連さんは体感されている通り、水圧を克服しなければ探索できないですからね・・・。
ところで、ホタルスライムの反応はある程度制御できます。(ホタルのようにチカチカするのはさすがに無理ですが)
酸性-中性-アルカリ性の度合いを変化させたり、温度を変化させたりすると、光の強さが変わります。
また、普通は黄色く光りますが、酸性にすると赤っぽく光ります。
中学校の「でんぷん+だ液」の実験を覚えていらっしゃいますか?
ヨウ素液と、ベネジクト液を使うやつです。
同じことが学べます。
酵素は体温で最適、低温で活性が低下、温度が高すぎると失活と。
phの影響は高校レベルですが。
> 酵素別にスライムを作れば、その場で反応を起こすようにできたりしないものでしょうか...。
それはおもしろいです!是非試してみたいと思います。
酵素はルシフェラーゼ1つしかないですが。ルシフェリンが基質で、エネルギーがATPです。
ホタライトの袋Aにはルシフェラーゼ、BにはルシフェリンとATPが混ぜてあります。
前者だけで作ったスライムAと、後者だけで作ったスライムBを後から合体させれば、接触部分が光り、こねるとマーブル状に光ると予想されます(上手く光るかはやってみないとわかりませんが、スライム内で水分の移動は起こりますから)。
それまた不思議な様子になるかもしれませんね!おもしろいアイディアをありがとうございます。
お邪魔なんてとんでもないです!!
私こそ、いつも返信が長文なんですよ(^_^;)。
先生って職業は、なぜだか話が長くなります。
先生、それはブログのコメント欄で展開するには壮大すぎるテーマです。^^
色に関しては、子供の頃に「自分と他の人は同じ色に見えてるのか」と母に聞いているのに、意としていることが伝わらず、歯がゆい思いをした記憶があります。
...が、この記憶は本物だったのか、と問われると自信がありません(笑
記憶は薄れ、揺らいで、特定の事象だけがクローズアップされたり、瑣末な事は無かった事になったりします。
別の出来事とひっついたりすることも。
忘れない一番の方法は、常に思い出す事なんだそうです。
心理学では、この方法で他人の記憶もある程度コントロールできるとしています。
たとえば、デートで決定的に楽しい事が3つ、決定的に楽しくなかった事が3つある場合、楽しかった事を強調する事で、相手にそのデートは楽しかったという印象をつけることが出来る、と。
人間の脳みそはだまされやすい上に、勝手ですよね(笑
人間が意思伝達をするときに、一番大きな割合を占めているのは言葉ですよね?
でも、ほんとうにその単語は同じ認識を共有できているのでしょうか。
(言葉を「ただのおおざっぱな記号に過ぎない」というと、元コピーライターの上司は激怒しますけど(笑))
そこまでやっちゃうと1歩も前に進めなくなっちゃうので、特別な理由がない限り「緑」という記号は特定の波長の範囲を示し、それは大多数の人が同じ認識をしている、という事でいいかな、と思います。^^
普段はこんなこと意識しないから、共通認識だと思っていたことに差異があって、誤解が生まれるんですねー(笑
同じ種類の生きものでも、これほどの差異があるのですから構造から根本的に違う種の生きものなら、きっと同じ場所で違う世界を見てるんでしょう。
すごく面白そうなんですが、その世界を認識する手立てを私たちはまだ持ってないですよね...。残念!
すごく端折ったつもりでしたが、相当なボリュームになってしまいました。
自己と宇宙までたどり着けなかったです。^^;
しかもとりとめないし。
すみません...。
ホタルスライム、別々に作って混ぜることも可能なんですね!
光の強さにもよりますが、数時間光るなら海に持って入れないかなぁー。
水温が低いから活性が低下するかもしれませんね。
長くなりすぎたので、これはまたホタルスライムのページに譲ることにします(笑
でも、宇宙の法則を考えることは、科学を考えるときの基礎だと考えているのでつい・・・。
このブログのどこかにも書いたような気がしますが、ミクロの遺伝子を研究していると、宇宙規模の深さを感じます。
ミクロもマクロも大差ないことだと考えるようになりました。
1つの言葉であらわすならば「無知の知」です。世の中のことは突き詰めれば取りとめがありませんね。。。
> 忘れない一番の方法は、常に思い出す事なんだそうです。
そうですね。教育でもアウトプットが重視されます。
> 人間の脳みそはだまされやすい上に、勝手ですよね(笑
そのいい加減さが、人間らしさにとって最も重要なことだと考えています。
他の生物が見ている世界ですが、研究は進んできましたよ。まだまだ実用的ではありませんし、正解かどうかも分かりませんが。。。
ホタルスライムは、夏の浅い海程度であれば大丈夫だと思います。
水にさらす事が問題だとは思います。
海の光る生物のほうがよほど幻想的だと思いますよ!
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